魔法のいらないシンデレラ 3

「おはようございます。いつもすみれがお世話になっています」
「ここここここ、こちらこそ!お世話になっておりますっ!」

ニワトリか?というくらいたくさんの『こ』を並べてから、小雪は勢い良く頭を下げる。

「急な予約で申し訳なかった。明日からも、しばらくお願いしたいのだけど、大丈夫かな?」
「もももももも、もちろんですとも!喜んで!」

早口言葉だったら、かなり上手く言えた事になるだろう。
小雪はまた勢い良く頷いた。

そして、ふとひらめいた。
なぜ瑠璃ではなく、一生がすみれを送りに来たのか…

「も、もしかして…。産まれたんですか?赤ちゃん」
「ああ。お陰様で昨日無事に」
「わあー!良かったー!おめでとうございます!すみれちゃん、良かったね!」
「うん!」

小雪はすみれと手を取り合って喜んだ。