うっく、うっく…と小雪は、山下の腕の中でしゃくり上げる。

そしていつの間にか、再びスーッと眠り始めた。

「え、ええー?!ちょっと、小雪ちゃん?」

どんなに揺すっても、返事をしない。

身体中の力を抜いて、クタッと山下に寄りかかっている。

「嘘だろー?おい。どうなってんの?」

山下は、諦めたように大きなため息つき、小雪をベッドに横たえた。

タオルケットを掛けると、小雪の耳元に顔を寄せる。

「小雪ちゃーん、鍵、ドアポケットに入れておくからねー」

やれやれと立ち上がり、部屋の明かりを消すと、玄関から出て鍵をかける。

ドアポケットから、じゃあねーと一応声をかけ、ポトッと鍵を入れて階段を下りて行った。