甘くて優しい青春恋物語 ~ビターでほろ焦れな恋は溺れるほどの愛で~

『小森さん……どうしたの? そんな、慌てて……』

『どうしたのじゃないですよ……! 顔、真っ青じゃないですか……っ。』

『そ、そうかな……あはは。』

 非常階段の隅で、偶然見て。

 今にも倒れこんでしまいそうな先輩を見て、焦りが生まれた。

 こんなに真っ青な先輩は、初めて見る。

 この様子から、もしかすると先輩はずっと無理をしていたんじゃないかって。

 その時は先輩の顔色が戻るまで、背中をさすっていた。

 本当は保健室に連れて行ったほうが良いんだろうけど、先輩が嫌がったんだ。

 他の人に心配かけたくないからって、先輩はそう言った。

 こんな風にしんどくなるのは、たまにしかないから大丈夫って事も聞いた。

 ……でも私は、ずっと心配で心配で、怖かった。

 これ以上先輩が無茶をしたら、頑張り過ぎたらって……。

 それと同時に、気持ちを自覚したって経緯だ。

 私なんかじゃダメだろうけど、少しでも先輩の支えになりたい。

 先輩を、誰よりも近くで支えて生きていきたい。