甘くて優しい青春恋物語 ~ビターでほろ焦れな恋は溺れるほどの愛で~

 生徒会長にしては、やけにお世話焼きさんなんだなって思っていた。

 ……多分、実際そうなんだろうけど。

 誰からも頼られて任せられて、どんな事でもいとも簡単にやってのける。

 それ本当に、凄い事だと思う。

 ……だけど、私は知っている。

「私なんかにも優しい……誰にでも優しいから、先輩は良い人だから……私が支えたいって思ったんです。何を言ってるんだって話だと思うんですけど、私は知ってるんです。」

 黙って聞いてくれる先輩は、どこか顔が青い気がする。

 だけどやめる気はなくて、言葉を最後まで続けた。

 しっかり先輩を見据え、言い放つ。

「先輩は……無理しちゃう人だって、事を。」

「っ……。」

 さっきまで顔色を変えなかった先輩の表情が、一気に曇っていく。

 ここで取り繕わない辺り、否定する気はないって事なんだろう。

 ……颯斗先輩は、溜め込む事がある。

 だから人気がないところで一人で休んだり、平気なふりをしている。

『颯斗、先輩っ……!』

 前に一度、見た事があった。