家に帰るや否や、先輩から貰ったリナリアを机の上に置きベッドにダイブする。

 制服に皺がつく事も構わず、私は力強くクッションを抱きしめた。

 ……っ。さっきの先輩、一体何だったの……?

『やっぱり……小森さんは、可愛い。』

 いつもの先輩じゃ、なかった……。

 それに……“やっぱり”って……?

 どうして急に抱きしめてきたのか。可愛いだなんて言ったのか。

 先輩に問い詰めたい気持ちでいっぱいだけど、私自身はもうキャパオーバーだ。

 先輩は私のこと、一体どう思ってるんだろう……。

 私はもちろん、先輩のことが大好き。男の人として。

 だけど先輩は……どう、なんだろうか。

 あうー……もう頭がパンクしちゃいそう……。

 たくさんの疑問が脳内を駆け巡り、頭痛が起きる。

 だから私はクッションに顔を埋め、落ち着く為に息を吐いた。

 恋はとても、難しい。

 でも恋をしてしまったんだから……もう、戻れない。

 私は先輩を好きで好きで仕方なくて、さっきのも……嬉しい、なんて思ったりした。