「やっぱり理仁最高っ! ありがとう!」

「……別に。颯斗の為に言ったんじゃねぇよ。そうしなきゃ後々面倒だからな。」

「それでも……ありがとね。」

「……ん。」

 僕の数少ない友達の一人は、こんなにも優しい。

 小森さんを怖がらせた、驚かせた分際で何言ってんだって話だけど。

 ……ちゃんと、伝えなきゃ。

 卒業式。僕の決戦の日。

 もし小森さんの気持ちが変わらないでいてくれたら、その時は……。

「後悔だけはすんなよな。」

「分かってるよ。」

 理仁の後押しで、僕は決心した。

 ……自分の気持ちを、きちんと言おう。

 そして……区切りを、つけなくちゃ。