甘くて優しい青春恋物語 ~ビターでほろ焦れな恋は溺れるほどの愛で~

「俺に泣き寝入りすんな。自分で何とかしろ。」

 相変わらず、毒舌……。

 愛想が悪く不良っぽい彼は、僕の親友?の理仁。

 理仁はどう思ってるか、全く分からないけど……。

 理仁も恋してる立場らしいから、アドバイスの一つや二つくれると思ったのに……。

「自制利かさねぇ颯斗が悪いんだろーが。そこんとこ、もう少し頑張れよ。」

「理仁が言えた事じゃないでしょ、それ。」

 理仁のほうが酷いじゃん……とは言わず、代わりの言葉を吐く。

 やっぱり友達に話しても何も変わらない。

 自分でどうにかするしか、ないよな……。元々は自分が蒔いた種なんだし。

「まぁでも……。」

 諦めて、お礼を言おうとした途端。

 つっけんどんに尖った理仁の口が、ゆっくり動いた。

「自分の気持ちと本当の事はちゃんと言ったほうが良い。このまま好きな奴と気まずくなるのはダメだろ。颯斗にとっても、小森にとっても。」

「り、理仁……。」

 不愛想でつっけんどんで、不真面目な彼。

 その中身は、的確なアドバイスが言える優しい人で。