甘くて優しい青春恋物語 ~ビターでほろ焦れな恋は溺れるほどの愛で~

 ……でも、一人だけに弱みを見せた事があった。

『颯斗、先輩っ……!』

『どうしたのじゃないですよ……! 顔、真っ青じゃないですか……っ。』

 生徒会の仕事が思ったよりも立て込んだ時、陰で休んでいたところを小森さんに見られてしまった。

 取り繕おうと頑張って笑顔を見せたけど、小森さんは一瞬にして気付いた。

 だからこそ、ああ言ったんだろう。

『先輩は……無理しちゃう人だって、事を。』

 まさか、そう言われるとは思ってなかったから驚いてしまった。

 年下にバレていたなんて、恥ずかしすぎる。

 だけど、それ以上に……小森さんの気付きが嬉しかった。

『片桐君流石だねっ! 次の学年トップも絶対片桐君だよ!』

『最初から何も可もできる奴は、人生損しなくていいよなぁ。片桐みたいな天才型だと尚更。』

 ……違う。僕はそんな、期待されるような人間じゃない。

 人より少し飲み込みが早いだけ、指示された事をこなしているだけにすぎない。

 誰でもできるような内容をして、徐々に拡大していって、いつしか僕は“天才型の人間”だと認識されてしまっていた。