甘くて優しい青春恋物語 ~ビターでほろ焦れな恋は溺れるほどの愛で~

「……へぇ、そうなんだ。」

 か、香ちゃん……?

 やっぱり男の人だから、関わりたくないんだろうか。

 香ちゃんはさっきよりも険しい顔になり、私の制服の袖を引っ張る。

 その力が強すぎて、少し痛い。

 香ちゃんって、こんなに力強かったっけ……?

 そう思うも、この状態は思ったよりも身動きが取れない。

 ……簡単に言うと、香ちゃんに掴まれている。

 こ、これじゃあ動けないよ香ちゃんっ……!

 それは困るから、とりあえず話してもらおうと口を開く。

 ……それとほぼ同時、だった。

「悪いけど、小森さんはこっちだから。」

「……っ!?」

 颯斗先輩の声、ではあったけど、いつもよりも一オクターブ低い声。

 柔らかい声じゃなくて、鋭い刺さるような声。

 そんな声が聞こえた瞬間に、私の体は引き寄せられた。

「なっ……! は、はづきんを離してよ……! はづきんは私の、可愛い従姉妹なの!」

「それでも無理かな。小森さんも困ってるから、君の言う通りにはできない。ごめんね。」