甘くて優しい青春恋物語 ~ビターでほろ焦れな恋は溺れるほどの愛で~

「流石小森さん。やっぱり話が早いね。」

 思った通りだ……。

 シミュレーションしていた誘い方じゃなくなっちゃったけど、結果オーライ……かな?

 結果的には同じだし、過程を気にしなくてもいいのかもしれない。

 そ、それでももっとちゃんと誘えたら良かったのかな……。

 もっと堂々と誘ってたら……少しは、意識してくれるかな。

 心の片隅で不満に感じながら、その反面嬉しい気持ちを抱きながら。

 私と先輩は、フェスタを開催しているほうへと足を運んだ。



「わぁっ……凄い。」

 ホワイトとついている通り、会場は白一色で。

 バレンタインの時は凄く色とりどりで賑やかだったけど、また違った賑やかさがある。

 その中でたくさんのお花たちが、色彩豊かに並べられていた。

 ここだけ、雪が降っているみたいに幻想的。

「バレンタインの時よりも落ち着いてるね。こっちの雰囲気も好きだな。」

 独り言のように呟いた先輩も、目を輝かせていた。

 ふふっ……まるで、わくわくして何かを期待している子供みたいだ。