甘くて優しい青春恋物語 ~ビターでほろ焦れな恋は溺れるほどの愛で~

 茉優ちゃん、本当にごめんねっ……。

 しゅんと肩を落としながら椅子に座り直し、茉優ちゃんの続きの言葉に耳を傾ける。

「えっとね……ホワイトフラワーフェスタって言うのは、バレンタインフラワーフェスタと同じようなものらしいよ。たくさんの植物を販売して、冬の花を盛り上げようって魂胆だって私は聞いたんだ。」

 へぇ……バレンタインフラワーフェスタは今まで何度か行ったことがあるけど、ホワイトデーのもあるんだ……。

 もしかして、今までにもしてたのかな……?

 うぅっ、それだったら行けなかった事が悔やまれるっ。

 一人うーっと悩んでいると、茉優ちゃんが困ったように息を吐いた。

「葉月が知らないのも無理ないよ。このフェスタは今年初めて開催されるらしいから。バレンタインの時と同じところでされるらしいから、片桐先輩と行ってみたら?」

「そ、そうだったんだ……。」

 良かった、今まで行けてなかったって落ち込んでたから元気が出た。

 流石、気が利く茉優ちゃんだ。

 でも……そうだよね、バレンタインの時に先輩と行けたから、また今回も行けるのかな。