うーんともやもやした気持ちで、茉優ちゃんを見る。

 すると茉優ちゃんは、何度か口を開閉させて……こう言い放った。

「葉月にだけ優しいって言ったのはね……片桐先輩、他の女子からのチョコは断ってるみたいだから。葉月のチョコだけ受け取って、尚且つ告白を受け取ってくれたのは、葉月だけらしいよ。」

「ふぇっ……!? そ、そうだったのっ……!?」

「うん。私も風の噂で聞いただけなんだけどね。」

 あははとそう言う茉優ちゃんだけど、私は驚きのほうが大きい。

 先輩は有名だから、噂が回るのは早い。

 私が告白したのが回ってしまっているのかは分からないけど、まさか他の子からのを断っていただなんて……。

 先輩の噂は、信憑性が高い。

 だから、鵜呑みにしても間違いじゃないと思う。

 ……だけど、どうしてだろう?

 先輩みたいなかっこいい人なら、好きな人くらいいるはず。

 それこそ、私みたいな平凡女子じゃなくてもっと可愛い女の子を……。

 ズキッと、心臓が嫌な音を立てる。

 嫉妬だなんて、私は可愛くない。