「毎日幸せそうで、私嬉しいっ!」

 私は大好きなお友達に笑顔で、そう伝える。

 今はお昼休み。

 お弁当を食べ終え、友達の茉優(まゆ)ちゃんと雑談をしている。

 ホワイトデーと卒業が迫った、三月のある日。

 そんなしんみりとする時期に、私はパチパチと両手を叩く。

「葉月……祝福してくれるのは嬉しいけど、そんな大げさにしなくても……」

「ううんっ、大げさにするよ! だってやっと、茉優ちゃんの恋が実ったんだから!」

 毎日のように、私はこう言っている。

 先月、茉優ちゃんは幼馴染の千代河君に告白した。

 そしたらまさかの両思いだったらしく、今ではすっかり前以上に仲良し。

 私としては、やってしまった……という気持ちのほうが大きかった。

 強引に茉優ちゃんを買い物に連れて行ったり、私の意見を言っちゃったり……。

 無意識だったとはいえ、茉優ちゃんには申し訳ない事をしちゃったんだ。

「茉優ちゃん、先月は本当にごめんね。茉優ちゃんのことなんだから、私が強要しちゃダメなのに……」