――――…


「いいですか、皆さん。いよいよ、今週末はダンスパーティーが開催されます…!日頃の成果を見せるチャンスですので頑張ってくださいね?来賓の方々も大勢いらっしゃる予定ですし、ランクが上がるチャンスでもあります!気を引き締めてください」

教卓で真剣な表情でそう話すのはA組クラス担任の綾小路先生だ。40代の女性教師で、物腰柔らかな感じがとても好感がもてる。

ちなみに先生自身も櫻乃学園の卒業生のようで…。

『西園寺さん…!A組担当の綾小路です。よろしくね…ふふ。こうしてみると本当に莉乃様にそっくりね?あぁ…実は私が学生の時、貴女のお母様の1学年下の後輩だったの。莉乃様はその当時の学園生徒の憧れでね?私もその1人だったのよ…』

そう言って、懐かしそうに目を細めた綾小路先生は、教室につくまで母が学生だった頃の話をたくさんしてくれたのだ。

今度お母さんに会ったら綾小路先生のこと聞いてみようっと。

後輩のこととか覚えてるのかな…?


そんなことを考えていると。

「ねぇ、琴乃ちゃん…!今週末のダンスパーティー楽しみですわね!」

後ろの席から純連ちゃんがコソッと声をかけてきた。