菖蒲池純連。
1年A組クラス委員長。
ランクは3級。
ゴールドに光るバッジがその証拠だ。

菖蒲池財閥は、アパレルブランドを数多く所有しており、その規模は年々拡大している。彼女自身も成績優秀で1年生にして唯一の3級を保持。コイツに目をつけられると危険だから気をつけること…。

確か侑也くんのノートにはそんな内容が記載されていた。

つまり、私が1年A組で平穏な学園生活を送る上で、最初の難関なのである。

返答を間違えたら…終わりよ。

ゴクリと息を呑んだ時。

「純連様のことちゃんと知ってるなんて…思ったより賢いんだね?それとも執事の入れ知恵かな?」

「…千影。口がすぎますわよ」

菖蒲池さんの後ろから、スッと現れたの男の子は彼女のパートナー執事のようだ。

彼のこともノートにあったわね…。

名前は本郷千影。
菖蒲池純連のパートナー執事見習いで、成績優秀、執事としての力量もトップクラス。1年の執事学科の中で総合2位の実力者だ。

性格に難ありのため要注意って書かれてたけど、侑也くんに言われるくらいだからよっぽどね。

「純連様、失礼いたしました。私も新しいクラスのメンバーとして、ちょっと褒めただけですので」

悪びれた様子のない彼に対し。

「…千影、僕のパートナーに失礼は許さないよ?」

今まで黙っていた侑也くんがおもむろに口を開いた。