気づけば俺は、告白で呼び出されて屋上にやってくる明華先輩を待つようになっていた。
毎日来るわけでもないのにな。
でも明華先輩はモテるらしい。割と頻繁に屋上に姿を見せた。俺の周りの奴らもたまに先輩の名前を口にしている。確かに、普通に可愛い。いや、めちゃくちゃ可愛い。
今まで女の子に困ったことはないくらい、常に周りにいたから、自分から誰かを気にするなんてしたことがなかった。
明華先輩とも学校ですれ違ったことくらいあるだろうに、名前は聞いたことあるくらいで全然知らなかった。興味がなかった。
そんな俺が、一人の女の子を気にしてるなんて。いつも盗み聞きしてるとか、ストーカーじゃね?
いつかあの顔じゃなくて、元気になった顔が見たい。笑った顔が見たい。
そう思うようになって見守り続けてきたけど、学年が上がっても全くそんな気配がなくて、ついに俺は痺れを切らした。


