「・・・・・・美味しい」
じわじわと顔が熱を持つ。
「間接キスだね、先輩」
意地悪な笑みを浮かべる、目の前の強引な後輩くん。
〜っ、
"間接キス"というワードにカアッと顔が真っ赤に染まるのがわかった。
普通の友達みたいな距離感だと思っていたら、いつも不意打ちで急に攻めてくる。
間接キスくらいで、なんで私もこんなに動揺してるんだろう。
・・・・・・でも、その理由はもう本当はわかってるんだよね。
相手が一ノ瀬くんだから。
私は、一ノ瀬くんに惹かれ始めているんだ。
自分の心に久しぶりに起きた変化に、戸惑って気づかないフリをしてきたけれど、さすがにもう、認めざるを得ない。


