プログラムも終盤に差し掛かり、私は学年対抗リレーに出場するため、また招集場所に来ていた。
前の人たちが順番に並ぶのを後ろの方で待っていると、
「あすか先輩」
っ!
となりに一ノ瀬くんが来て、ちょっと驚いた。
「え、一ノ瀬くんも、走るの?」
「はい。アンカーなんで」
「え!そうなんだ。足速いんだね」
「まあ、そうすね。・・・ねえ、先輩。俺が先輩たちに勝ったらさ、ご褒美ちょうだい」
「え?ご褒美?」
「うん。次の休み、俺とデートして」
「え・・・は、デート?」
「だめ?」
う。出た、必殺技。
これでどれだけの女子を落としてきたんだ。
イベント効果なのか、いつにも増してカッコよく見えるし・・・。


