はやく俺のこと好きになってよ、先輩。




「明華ー!おかえり〜!やるじゃーん!ばっちりスマホに収めといたから!」


テントに戻ると、予想通りハイテンションの仁乃に出迎えられた。


「撮ったの?消しといてよ」


「嫌よ。あ、一ノ瀬くんに送ってあげようか!ねぇ明華、一ノ瀬くんの連絡先教えてよ」


「無理、送らなくていいから」


「えぇ〜ケチ〜」


仁乃は唇を尖らせて拗ねている。



「ねぇ、仁乃。・・・・・・先輩たち、来てた?」


さっきまで一ノ瀬くんのことでいっぱいだった頭も落ち着き、重要な問題を思い出したところだった。


「・・・うん。仲良かった子たちと話してたけど、なんかカラオケ行くとか言ってたかな?ちょっと前に帰って行ったよ」


「・・・そっか」


「・・・気づいてたんだね」


「・・・うん、たまたま見かけて。・・・元気そうだったね。よかった」


「明華・・・、まだ・・・やっぱり?」


「・・・どうだろ。まだ好きだと思ってたんだけど、なんだろ・・・なんか分かんない」