今日の一ノ瀬くんは真剣だ。


って、そりゃそうだよね、内容的に。


「俺が先輩に関わらなければ、先輩がこんな目に遭うこともなかったんだろうけど・・・、でも、先輩に関わらないとか、やっぱ無理」


「え・・・」

話の流れ的に、関わるのやめるって言われるのかと一瞬思った。



「俺、あすか先輩のこと、相当好きみたい」


「っ、」

不意打ちなその言葉に、ドキンと心臓が鳴る。


熱の籠った真剣な瞳から目が逸らせない。


な、何て返せば、いいの・・・?



「昨日、先輩に何かあったらって・・・俺、あんなに誰かのために焦ったの初めてで。先輩の姿見たらマジでホッとして。・・・先輩が行っちゃった後、自覚した。めちゃくちゃ先輩のこと、好きなんだって」



一ノ瀬くんの言葉が、真っ直ぐ胸に響いてくる。


とても嘘をついてるとは思えなかった。



「だから、・・・はやく俺のこと好きになってよ、先輩」



最後の言葉は、彼らしく、ちょっと自分勝手で強引で。


でも、確実に私の心が揺れ動いた瞬間だった。