「だから、それは無いって」


「どーかなー。俺は結構手応え感じてるんだけどなー。気のせい?」


そうやってまた意地悪く笑う。


その顔に不覚にもドキッとしてしまった。


なんだこれ。やっぱりこんなにかっこいいと、誰でもドキッするのかな。そうだよね。


好きとかそういうのじゃない。


にしても、一ノ瀬くんといると完全にいつも一ノ瀬くんペースだ。


これって・・・もしかして、危ない?


そうだよっ。気をつけないと、明華。


万が一、好きになってしまったら終わりよ。もう、あんな思いはしたくないでしょ。それに、私の心の中には、まだあの人がいるはずだから・・・。


ふたりでクレープを食べ終わると、一ノ瀬くんはそのまま駅まで送ってくれた。