「ちょちょっと!何してるのっ」 「はは、先輩、顔あか〜。可愛すぎだから」 そうやって意地悪く笑う一ノ瀬くんの頬も、少し赤い気がするけど、気のせい? でも私は、恥ずかしさでいっぱいいっぱいになっていた。 「やめてよ、こういうこと。付き合ってもないのに」 クレープの味に集中しながら、顔の熱を覚ますのに必死だった。 「じゃあ、早く俺のこと好きになってよ、先輩」 またそういうことを簡単に言う。