急に後ろから聞こえたその声に、体がビクッと反応して勢いよく振り向くと、


屋上入り口の右奥、私から死角になっていたところから男の子がこっちに向かって歩いて来ている。



「ねぇ、にしむらあすか先輩?」


サラッとした黒髪、私よりも少し高い身長に上手く着崩した制服。青いシューズは私の目の前まで来て止まった。


「な、何?・・・なんで名前・・・」


目の前の顔をしっかり視界に捉えると、くっきり二重の綺麗な黒色の瞳が私を映していた。


・・・・・・かっこいい


素直にそう思った。


「先輩、よくここで告白されてますよね?にしむらさんとか、にしむら先輩とか、あすかちゃんとか・・・数えきれないくらい聞いたんで、いい加減覚えちゃいました」


そう言ってヘラヘラと笑っている。