「・・・・・・そうだったんだね。オレ、明華が抱えてるものに気づいてあげられなかった・・・・・・ごめん。もっとちゃんと話をしたらよかったね・・・。明華はいつも笑ってくれてたし、好きでいてくれてるって自惚れてた」


「ううん、りっくんは悪くないよ。それに私、ちゃんと好きだったよ」


「そっか・・・好きだった、か。・・・今更だけど、オレはあの頃もちゃんと明華が好きだったし、他の女の子とは何もなかったよ。でもオレの行動が不安にさせてたんだよね・・・ほんと、ごめん」


こうやって、あの頃もちゃんと向き合えてたら何か違ったのかな。


たぶん、私が話せば、りっくんはちゃんと今みたいに話を聞いて不安を取り除いてくれたんだろうな。


でも、その勇気があの頃の私にはなかった。


「謝らないで。私が弱くて、ちゃんと向き合う勇気がなかっただけだから」


「・・・・・・ねぇ、明華。オレたちもう一度やり直せないかな?あの時、明華を引き止めてちゃんと話を聞けばよかったってめちゃくちゃ後悔してる。オレはずっと明華が好きだし、我儘だけどオレとのこと過去にして欲しくないんだ。もう絶対に不安にはさせない」


真剣な、でも懇願するような少し揺れた瞳が私を映している。