はやく俺のこと好きになってよ、先輩。




「ちょっと遥斗ぉ〜急にどうした・・・の」



なんてタイミング。



昼休みじゃないし、会うこともないだろうと思っていたのに。


できるだけ会わないようにとは思っていたけど、学年が違うと本当に会おうとしないと滅多に会うこともない。彼から会いに来ることもなくなったし、内心ほっとしていた。


2週間ぶりに見た彼は、体育で汗をかいたのか、いつもサラッとしていた前髪が軽くかき上げられていて爽やかさの上に色気を纏(まと)って見えた。


数メール先で立ち止まった彼の瞳には、間違いなく私が映っている・・・と思う。


この場には私たちを含め8人。一瞬、誰も言葉を発さず静まり返ったが、その静寂はすぐに破られた。


「・・・・・・最悪」


ポツリとつぶやかれたようだが、確実に私たちの耳にも届いた。


つぶやいた本人は私を睨みつけながら、立ち止まった彼の腕に更にぎゅっとしがみついた。