「明華、元気にしてた?体育祭、頑張ってたね」
「え、あー、体育祭・・・見てたんだ?」
「うん。借り物競走、1位だったね」
ずっとニコニコして表情穏やかなりっくん。
やっぱり・・・見られてたんだ。
「見られてたって思うと、なんか恥ずかしいね。高校最後だし、ちょっと頑張っちゃった」
ハハッと笑って誤魔化す。
「でもやっぱちょっとショックだったなー。明華が男と手繋いで走るとこを見るのは」
穏やかな表情は崩さないけど、真っ直ぐにその瞳は私を見ている。
っ・・・
「あはは、お題がイケメンだったからねー」
なんとか誤魔化す。
だって・・・冗談だよね・・・?


