「久しぶり、明華。座って」
りっくんはあの頃と変わらない笑顔を向けてくれている。それに少しほっとして、向かいの席のイスを引いて腰掛けた。
「明華、お腹空いてる?先に頼もうか」
「あ、うん。そうだね」
りっくんはハンバーグプレート、私はチキンプレートを頼んだ。
ウエイターが去った瞬間、気まずさに襲われ視線のやり場に困った。
でも、それも一瞬で、りっくんからすぐに声をかけてくれた。
「今日は急にごめんね。予定とか大丈夫だった?」
「あ、うん。私は全然・・・。りっくんの方が、バイト前なのによかったの?」
「うん、それは全然気にしなくていいよ。オレが早く会いたかったから」
「っ・・・・・・そ、そうなんだ・・・」
え・・・なんて返すのが正解?
これは社交辞令?冗談?
急に「会いたかった」なんて、社交辞令でも戸惑うよ・・・。
もちろんりっくんの顔は見れずに視線を逸らし、コップに入った水を喉に通した。


