はやく俺のこと好きになってよ、先輩。



・・・・・・・・・なに、今の。


急に頭を鈍器で殴られたような衝撃に、思考も何もかもフリーズしている。


まるで金縛りにでもあっているかのように、足が床にピタリとくっついて身体が動かない。


ドクドクドクと自分の鼓動がトイレの個室に響き渡っている感覚に陥る。



・・・・・・どういうこと・・・?



やっとの思いで頭をゆっくりと回転させる。


さっきの美咲って・・・、私を呼び出したあの美咲ちゃんだよね・・・


じゃあ遥斗って、一ノ瀬くんのことで間違いないよね・・・



手こずってる・・・もう終わり・・・


落とせたら焼肉・・・遥斗の勝ち・・・


ゲーム・・・遥斗の演技はヤバい・・・


そろそろいける・・・遥斗も溜まってる・・・



気になるワードたちが頭の中をぐるぐると駆け巡る。



ブブッ


ポケットに入れていたスマホが震え、ハッと我に返った。