はやく俺のこと好きになってよ、先輩。



例の土曜日が明日に迫った、金曜日の昼休み。


仁乃と二人で売店にパンを買いに来ていた。


たまに、お互い弁当じゃない日は、こうやって一緒にパンを買いに来るんだ。


それぞれ好きなパンを選び、支払いを済ませ、教室へ戻ろうと渡り廊下を歩く。


あ・・・


嫌な予感。


「にの、ごめん。ちょっとそこのトイレに寄ってくから先戻ってて。アレが来たかも」


「おっけー。じゃあ明華の分も預かる」


「ごめん、ありがと!」


仁乃にパンの入った袋を預けて、渡り廊下すぐのトイレに駆け込んだ。



・・・ふう、セーフだった。


朝から下腹部のズーンと重たい感じがあったから、念のためポケットに忍ばせといてよかった。


立ち上がってトイレの水を流そうとした時、


「美咲〜何買う?」


そんな声と共にパタパタと数人の足音がトイレに入って来たのがわかった。