LOVE HUNTER




拓真とのデートのカウントが始まった、計五回のうちの一回目の農作業をした、翌朝の月曜日。



「祐宇、凛、おはよー」



先に登校して雑談していた祐宇と凛は、黒髪姿で脇を横切った和葉を見た途端衝撃を受けた。
二人の目線は和葉が着席するまで吸い寄せられる。



凛「和葉……、どーしたの、その頭?」

祐宇「カラスみたいな髪色じゃん」



目を丸くして口元に手を当てる凛に。
和葉に震えた指をさす祐宇。

その様子を横目で見た和葉は、痛々しい現実が蘇るばかり。



驚くのも無理はない。
二人はトレードマークの金髪姿の私しか知らないのだから。
しかも、昨日散々泣き腫らした目は赤く充血してるし。



だが、和葉が人知れず抱いているトラウマは、いつものように本音を封印している。



和葉「あぁ、ちょっとね」

凛「何で黒髪に染めたの?」


和葉「……イメチェンだよ、イメチェン」

祐宇「以前はあんなに黒髪を嫌がっていたのに……」



和葉はこれ以上話を突っ込まれないように、両腕を枕にしてうつ伏せになった。
祐宇達はこれ以上語ろうとしない和葉が心配になってお互いの顔を見合わせた。



和葉は金髪を失ってテンションは下がっているものの、拓真に呼び捨てしてもらったお陰で気分はまずまずだった。




一時間目の授業後の休憩時間、和葉はいつも通り拓真のクラスへ。
既に拓真のクラスの時間割を把握している。
だから、教室に確実にいる時間を狙うようになった。



「拓真、お待たせ〜。年中無休、今日も休まずに会いに来たよ〜!」

「……」


「超絶美人が毎日会いに来てくれて嬉しいでしょ! ねぇ、また昨日みたいに『か・ず・は』って呼んでよ〜」



拓真は和葉が騒々しく教室に入って来た事を横目で確認したが、あいにく機嫌が悪く手元の本から目を離さない。



あれ……?
今日は機嫌が悪いのかな。
私達、昨日はあんなに仲良しだったのに。



「ねぇねぇ、何か怒ってるの? 昨日、和葉が何か悪い事したぁ?」



和葉は本を持つ右腕をガッシリ掴んで左右に揺れ動かして不機嫌な理由を尋ねたが、拓真は目を合わせるどころか無反応を貫く。



「せめて不機嫌な理由を教えてよ。口に出してくれないとわからないよ〜」

「……」


「ねぇ〜え〜。私達、昨日から大の仲良しになったじゃん。特別な話をしてくれたし」



無視されても諦めようとしない様子にしびれを切らした拓真は、持っていた本を手放して机に両手をバンッと叩いて勢いよく席を立ち上がると和葉に睨みを効かせた。