LOVE HUNTER



「お前は金髪より黒髪の方が似合ってるじゃん」

「……どこが? それって、全然褒め言葉になってないし」


「瞳の色が黒だし、金髪の時よりちょっと可愛く見えるんじゃない?」

「嫌だ。黒髪なんてダサい」


「俺はそっちの方がいいと思ってるけど。もし、金髪に染め直したりしたらデートは無しにしようかな」

「はあぁ〜っ?」



マジ切れするあまりドスの効いた声が部屋中に響き渡った。



「以前も言ったけど、清楚系の子が好みなんだよね。誰かさんみたいに、如何にも遊んでそうな子って好きじゃない」

「……うぅっ」



拓真は目線は明らかに私を指摘している。

派手な子は好きじゃないって言うけれど、自分だってつい最近まで暴走族として派手に迷惑かけながら自由に過ごしていたクセに。

私が苦しんでる事を知りながら、ここぞとばかりに意地悪を言って……。



「おっと、そろそろ畑に向かわないと。午後の作業スケジュールが間に合わないな」



散々毒を吐き尽くした拓真は、壁時計を見上げてからリモコンを取ってテレビの電源を消した。


しかし、問題はここからだった。


消えたばかりのプラズマテレビの画面には、何故か座敷童子の姿がクッキリと映し出されている。
目を凝らして見ると、画面の向こう側の人物は座敷童子ではない。

ほんの僅かに影が動いている。
私が動くと、影も動く。

……という事は。


テレビ画面のスクリーンに映し出されているのは、黒髪におかっぱ頭で座敷童子ヘアーになったばかりの、この私。



観ないテレビを消すのはごくごく当たり前の事。
拓真がテレビ画面を鏡に見立てて、私に今の座敷童子姿を見せようとしていた訳じゃない。

さすがに考え過ぎだとわかっているけど、テレビに映し出された姿を見た瞬間、猛烈な悲しみが込み上げた。



「うああぁぁぁん……。大事にしていた金髪があぁ……。カラーリング代が結構高かったのに。しかも、金髪に染め直すなとかあり得ないっつーの!」

「……は? バカ言ってないで、時間だからもう行くぞ」



声を荒げて泣きわめく私に対して、拓真の対応はドライだ。



「わぁああぁぁん……。今日はもう農作業なんてしない! そんな気分じゃないのわかってるでしょ」



今回はさすがにショックが大きくて、とても農作業する気にはなれない。
ギャルの命である金髪を失ったんだよ。
しかも、半ば強制的に染め直すなって言われてんのに。