あれ……。
頭皮が濡れたようにしっとりしていて感触がおかしい。
ベタつきは寝汗っぽい感じじゃないし、頭が何かによって軽く締め付けられている。
妙な胸騒ぎがしてから恐る恐る頭を触ってみると、カサっとしなる指ざわりがした。
「ひゃっ……」
軽く髪を触ったはずが、予想外な感触に恐怖を覚えて悲鳴が漏れた。
え、なになに。
いま何か頭に被ってる?
髪に触れたはずが、何故か髪の毛の感触がしない。
髪の毛との間に何か間接的なものが挟まれている。
「……あのさ、いま私の頭に何が付いてる?」
自分で確認するのが怖かったから聞いた。
すると……。
「気付いてないの?」
「何のこと」
「頭にシャワーキャップ被ってるよ。お前の頭がオカシイのは百も承知だけど、俺の不在中に他人んちで勝手に何してた?」
「……え、シャワーキャップ? 何の事?」
身に覚えのない珍事を指摘されると、思わず首を傾げた。
美容院でヘッドスパをした夢は見たけど、シャワーキャップを被った記憶がない。
しかも、何処からシャワーキャップを持ってきたのか。
何の目的で被ったのか。
ただ居間で横になっていただけのはずが、奇想天外な展開に気持ちがついていかない。
「ねぇ、今の姿を確認したいから少し大きめの鏡とかある?」
「部屋を出て左奥つきあたりに洗面所が……」
「ごめんっ、ちょっと洗面所貸りる!」
何故か居間でシャワーキャップを被り、巻いたはずのないタオルが首に巻かれていた私は、今の状態を確認する為に洗面所へと駆け込んだ。
息を呑み、意を決して我が身を鏡に映した瞬間……。
驚くあまり言葉を失った。



