LOVE HUNTER



和葉はうなされているうちに、少しずつ夢から現実へと引き戻されていく。
寝返りをうつと、髪がベットリした不快感と同時にカサカサ音が耳につきまとった。

身体を動かす度にビニールが擦れるような音。
頭も冷たかったり温かかったりで、場所によって感じる温度が違う。



頭皮のねちょっとした感触で目が覚めてムクッと身体を起こすと、そこには見慣れない光景が待ち受けていた。

しかし、ちゃぶ台に置きっぱなしの湯呑みを見た途端、いま置かれている状況が把握できた。



そうだ、ここは拓真の家。

農作業の後に昼食のおにぎりを食べ終えて、拓真がお茶をコンビニまで買いに行っている最中に、睡魔に襲われて寝ちゃったみたい。



居間で転がってるうちに、美容院でヘッドスパをしている夢を見ていたんだね。
でも、香りから感触までやけにリアルだったな。
本当に美容院に行ってたかと思ったよ。




すると、コンビニから戻ったばかりの拓真が襖が開けっ放しの入り口からボーッと座っている和葉の異変に気付いた途端、指をさしながら唇をカタカタ震わせた。



「……お、おいっ」



和葉は拓真の到着に気付くと、寝起きで薄目のまま目線を移した。



「あ、おかえり。お茶を買いに行ってから随分時間が経ったよ。時計の針は1時半を回ってるから、40分以上も一人で留守にしてたよ。知らない間にひと眠りしちゃったじゃん」



目をこすりながら不満を口にしたが、動揺している拓真の様子に違和感を覚えた。



「あの……さ……。近所の人に捕まって帰りが遅くなったのは悪かったけど……。俺がコンビニに行ってる間に一体何してた?」

「え、何をしていたかって? 今さっきひと眠りしたって言ったじゃん」


「……その状態のまま、ひと眠り?」



顔面蒼白の拓真だけど、私には言ってる意味がわからない。



「その状態って何? 意味がわかんないんだけど」

「じゃあ、ひと眠りする前の出来事を説明してくれないかな」


「ひと眠りする前は拓真と一緒におにぎり食べてたでしょ。……もう忘れちゃったの? しかも、さっきから何をそんなに驚いてるの? 変な拓真」



明らかにおかしな対応に首を傾げながら問い尋ねたが、時間経過と共に目がはっきりしてくると頭に違和感を覚えた。