LOVE HUNTER



ここに来てから初めて会話のチャンスが生まれたので、気になっていた事を聞いた。
すると、意外にも包み隠さずに答えてくれた。



今はこのお家で祖母と二人暮らしをしている事。

祖父が亡くなった後に体調を崩してしまった祖母の面倒を見る為に、暴走族を辞めて更生した事。

そして、祖母の代わりに代々受け継がれてきた畑を守っている事。



彼の口から知らない一面が次々と語られていく。
普段は素っ気ないけど、本当は家族思いで優しいんだね。

赤の他人から知り合いになり、今は農作業仲間として受け入れてもらっている。
しかも、お昼ご飯の用意まで。

縁があって、ここ最近は身近な存在となりつつあった。



でも、暴走族を辞めた時の話に続きがあるように思えた。
そう感じたのは、話を終えた後に暫く黙って外を見つめていたから。



拓真は空っぽになった湯呑みに気付くと、腰を上げた。



「近所のコンビニまでお茶を買って来るわ。すぐ近くだから留守番してて」

「一緒に行くよ」


「外は暑いからいいよ。但し、家を空けた隙を狙って、俺の部屋に侵入するなよ」

「えーっ」


「『えーっ』じゃねーよ、変態。いいな、黙ってこの部屋から出るなよ」



拓真はしっかりクギを刺してから部屋を去って行った。
しかも、残念な事に自分はいつしか変態扱いに……。





私はLOVE HUNTER

今日、初めて彼の内面に触れた。
距離を縮める度に等身大の彼を知っていき、新しい記憶として刻まれていく。

最初は意地悪だし嫌なやつだ〜って思ってたけど、根は家族思いの優しい人。

だから、私の心は知らぬうちに一歩一歩あゆみ寄っていく。