LOVE HUNTER




睡魔に勝てない和葉は少し気分転換にと思い、首を左右させて拓真を探した。

すると、右前方で手慣れた感じで備中鍬(びっちゅうぐわ)を使いこなしてる拓真の姿が、ボンヤリと瞳に映し出された。



あぁ、備中鍬を握っているあの上腕二頭筋の動き。
額から滴る汗。
細マッチョな身体に日焼けした小麦色の肌。
あっ、首に巻いている手ぬぐいで滴る汗を拭いてる。


ステキ……。
あの邪魔くさいメガネを外してくれればもっと素敵。
あーあ、また素顔の拓真に会いたいなぁ。

後でタイミングを見計らってメガネを盗む?
そうすれば、いつも間近で素顔が見れるかもしれない。



(よこしま)考えが過った和葉は、作業の手を止めたまま農作業に励む姿にウットリ。
すると、突き刺さるような熱視線に気付いた拓真は無言でキツく睨んだ。



まずいまずい……。
小さな事で波風立てちゃいけないね。
約束を守らなかったら女とか関係なく本気でしばかれそう。




ーー太陽が上りきった数時間後



「お疲れ。昼までしっかり畑仕事を頑張ったから、腹が減っただろ?そろそろ昼メシにしよう」



作業にひと段落ついた拓真は、一旦昼休憩にする為に和葉から掘り起こし器を軽々と受け取った。


畑を後にすると、再び拓真の家の中に入り、10畳ほどの畳の部屋に通されて手作りのおにぎりが出された。
和葉は朝食を口にしていなかったせいか、空腹のあまり無心におにぎりをほおばった。



目線を上げると、つい先日こっ酷くフった憎き相手の拓真が座っている。
現時点ではどう考えても好かれてないけど、一緒に農作業をした後に彼の自宅で一緒におにぎりを食べている。



私達って、縁があるんだかないんだか。
しかも、恋人でもなく友達でもない不思議な関係に。