罰当たりな態度で絡んでくる和葉は普段以上にイラつかせる。
だが、拓真は震えた握りこぶしに力を加えてグッと堪えた。
「誰がどう考えてもミニスカートで農作業出来るわけないだろ」
「ウフフ……。私なら別に構わないけどぉ。セクシー農作業員の私に悩殺されちゃう?」
「……っ、ざけんな。今すぐに部屋に行って、作業着に着替えるぞ」
拓真は歯をむき出しにして家の方へ指をさす。
ところが、和葉は部屋というキーワードによって一気に酔いが覚める。
部屋で着替えると言う事は……。
拓真の香りがたっぷり染み込んでいるあの枕ちゃんにまた会えるのね。
不敵な笑みで肩を揺らしながら、ピンヒールを土にズボズボと埋もれさせて先導する拓真に次いで部屋へ向かった。
前回の農作業の時に着たモンペセットを部屋で渡された。
先日は泥まみれになるほど汚したのに、キレイに洗濯してある。
まだこのお家に世話になってから家族らしき人に会ってない。
一体誰がこの作業着を洗ったんだろう。
広い戸建てに高校一年生の男子が一人暮らしなんてあり得ないよな。
日曜日なのに家族の気配はないし……。
両親は共働きとかで不在とか?
ひょっとして作業着を洗ってくれたのは、この前話に出てきたお姉さんかなぁ。
家に二度世話になっても知らない事ばかり。
今日の作業は夕方までだから、作業の合間にでも色々詮索してみようかな。



