LOVE HUNTER




すっかり意気消沈している和葉は、体育座りで膝に頭をうずめて咽び泣いた。



恋に破れた事が悔しくて泣いてる訳じゃない。
全勝無敗だった恋愛事情に終止符を打った事が、ショックだったに違いない。



和葉は涙の理由がわからないまま、思うようにいかない現実に押し固められていた。






ーーあれから、15分くらい経ったのだろうか。

告白する前に一万円札に見えた枯葉は、再び掠れた軽い音を奏でながら、円を描き宙へと舞い上がる。



さっきは合計一分にも満たない騒動に場は騒然としていたけど、チャイムが鳴ったと同時に教頭の挨拶で全校集会が始まった。


校庭に設置されているスピーカーから校長先生の声が聞こえてくる。
一語一句はっきり聞こえるけど、今は自分の事で目一杯だから頭に入って来ない。

吹き荒れる風の音と同様、スピーカーからの音は雑音に過ぎないから。



和葉はうずくまりながらジリジリと照らし続ける太陽光を浴びていると……。
突然何かによって光が遮断された。

影は雲がかかった程度しか思っておらず、正面にそびえ立つ人の気配には気付かない。


一方、目の前に立ってから10秒経っても自分の存在に気付かない和葉にしびれを切らした人物は口を開いた。



「おいっ!」

「………っ、……っズビッ」


「おいっ! 人が呼んでるのに無視すんなよ」

「……ズビッ……っえ、私?」



頭上からふてくされた声が降り注ぐと、涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げた。

すると、視界に飛び込んできたのは人生で初めて自分をフった拓真の姿が。
艶やかな黒髪と日焼けしている肌の肘まで捲られた白いワイシャツは不揃いにパタパタとはためかせ、口をへの字に結んでいる。