LOVE HUNTER



一方の祐宇は、先日拓真が下駄箱付近に居るとも知らずに賭けの話を掘り起こした事もあって、若干言い出しにくかった。



「最後まで話を聞いてくれると約束してくれる?」



祐宇はこれ以上の誤解を生ませない為に、先手を打った。



「時間が許す限り」

「昨年末、和葉と下駄箱で話してた話は嘘じゃない。知ってるかどうかわからないけど、私達三人はLOVE HUNTERなの。昔から狙いを定めた男の(ハート)を射抜いてきた」


「……だから、何?」



賭けの話を直接耳にした日から1ヶ月ほど経って苛立ちは治まりつつあったが、祐宇から再び挙げられると再び腹立たしい気持ちに。
それによって、祐宇を見る目つきが自然と厳しくなっていく。


一方の祐宇は、和葉の気持ちの誤解だけは解こうと思っていた。
和葉が人知れず思い悩んでいるのに、自分は黙っている事ができない。

しかし、凛の考えは違う。
確かに自分達は賭けの首謀者だけど、二人の問題に口を挟む事に賛成していない。



「和葉が弘崎くんに近付いた目的は賭け金だったけど、実際はほんの数日程度だった。これは藤田さんから聞いた話なの。私達が弘崎くんを対象者として選んだ理由は、お似合いだと思ったから。最初は恋の提案程度で賭け金は恋の起爆剤に過ぎなかった」

「今さら後付けしたような話を信じると思う? 俺が今日までどんな気持ちだったか……。あんたらが今更何を言っても信じないから」



と言って、拓真は睨みを利かせながら刺々しく跳ね除けた。
その瞬間、祐宇はこの問題の難しさを痛感する。

多大なショックを受けて瞬間冷凍されてカチコチに凍りついてしまった心は簡単には溶けない。



祐宇は和葉に恩がある。

本命の彼にフラれて思い悩んでいたその時、和葉に好きな人とぶつかり合って正直に気持ちを伝えて謝るように言ってもらった事があり、その結果山を乗り越える事が出来た。

だから、せめて自分の言動には責任を取ろうと……。
例え拓真に突っぱねられたとしても、今日は和葉の為に力になると決めていた。