LOVE HUNTER


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「最近敦士くんと一緒にいないけど、どした? あんなに毎日ベッタリだったのに、先週も今週もお昼も放課後も会いに来なくなったし」



今は放課後で、場所は下駄箱。
私と祐宇と凛の三人はHR後に教室で祐宇の元カレ話をしていて滞在時間が長くなり、下駄箱に下りた頃にはほとんど人がいない状態だった。



敦士がいない生活が始まってから、一週間近くが経過。

敦士と一緒に帰るようになる前までは拓真と一緒に帰っていて、拓真と一緒に帰るようになる前までは、今みたいに三人で毎日一緒に帰っていた。



友達関係を解消されてからの約一週間は、一人で帰っていた。
その理由は、友達と一緒に帰れるようなテンションではなかったから。

それに加えて、こうやって話題に上がるのが嫌だったから一度リセットする時間が必要だった。



「あ……、うん」

「ひょっとして、何かあったの?」


「えっ、どうしてそう思ったの?」

「だって、あんなに毎日『和葉、和葉』って、懐いた犬のようにくっついていたのに、最近パタリと会いに来なくなったから。喧嘩でもした?」

「まぁ、そんな感じ……かな」



実際は違うけど、咄嗟(とっさ)に嘘が飛び出した。



喧嘩の方が楽だった。
お互いの感情をぶつけ合った後に仲直りすれば、また同じような日々が戻ってくるのだから。


やっぱり男女の友情って成立しないのかな。
私は誰かの支えがなければまた同じ道を辿ってしまうの?

だけど、今は自分を見つめ直す機会が訪れたからちょうど良かったのかもしれない。



祐宇と凛の二人は、敦士のお陰で日に日に和葉の笑顔が戻っていき悩みから解放されたのではと思っていた矢先の変化だった。

その大元が喧嘩とみた凛は、一度その話題から離れた。



凛「あ! そう言えば急に思い出したけど、あいつとはどうなったの?」

和葉「……なによ、あいつって」


凛「ほら、一年生の弘崎拓真だよ。背が高いツンデレ眼鏡くんの」

和葉「あぁ……、なんだ。拓真か」



和葉から報告や相談を受けていない凛は、その話題が地雷という事を知るはずがない。



凛「拓真が落ちたら二万円あげるって賭けをしたじゃん。和葉もお金に目が眩んでノったし、一万円上乗せしたら更にヤル気を見せてくれたし」

和葉「……そうだったね。あの時は金欠だったから三万円という大金に目が眩んだよ」

祐宇「まさか和葉が金の為に屋上から告白するなんて思わなかったよ」


和葉「もう、辞めてよ! 黒歴史よ、黒歴史!」

祐宇「三万円のカネパワー半端なかったし」



この話をしたのは三ヶ月前だったけど、今日まで数々の山場を乗り越えてきたから、遠い過去のものに過ぎなかった。

あの時は常に自信に満ち溢れていたから、拓真も他の男と同様すぐに落ちるものだと思っていたから、三万円の使い道ばかり考えていたっけ。



しかし、実際の恋はそんな簡単なものじゃない。

名前も覚えてもらえないような嫌われスタート。
次第にいい雰囲気になりつつも、トラウマという高い壁によって後から来た栞にあっさり奪われるという無惨な結果に。

失恋してからも好きなのに、拓真は一生責任を取るつもりだから、もう手の届かない人になってしまった。