ここ最近和葉の体調を心配していた父親は、台所で受け取ったばかりの空の弁当箱を見て顔を綻ばせた。
「最近お弁当を残さずしっかり食べてるね。よしよし。家の食事も残さないようになってきたし。若い頃はたくさん栄養を摂ってパワーを身につけていこうね」
和葉は今日も父親から家族としての貫禄を見せつけられる。
「あ、うん。いつもお弁当ありがとう」
「娘にお弁当を作るのは当たり前だよ」
おじさんは放任主義の実の母親より血の繋がった家族のよう。
本来ならこれが母親の言葉なのに、母はソファーで寝転がってテレビを観ている。
残念な事に、うちは父親と母親の立場が逆転しているようだ。
でも、今の家庭環境が良好だから別にこれでもいい。
本当は敦士とお弁当を交換しているから、いつも空っぽになる。
当然事実を言える訳がないけど……。
でも、敦士のお弁当も腹が満たされるくらい頑張って口にした。
男子用だからさすがに量が多くて余った分は敦士にあげた。
昼休みが終わる頃には二つのお弁当箱は両方とも空っぽに。



