今日は夕方からバイトの予定が入っていたけど、山田にシフトを交代してもらった。
生まれて初の失恋を経験したから、とても仕事に行けるような状態ではない。
泣き過ぎて目はパンパンに腫れているし、頭はぼーっとしてるし、ティッシュで鼻をかみすぎて鼻は赤くヒリヒリしている。
失恋というものは、想像以上に身体に負担がかかる。
今日まで内緒で恋愛してきた分、この悩みは一体誰に相談すればいいのだろうか……。
和葉は帰宅してからモグラのようにベッドの布団の中に潜り込み、スマホの電話帳を指でスライドさせた。
バックライトは暗闇に包まれる顔を青白く照らす。
辛くて耐えられないから話を誰かに聞いてもらいたくても、名前欄をなかなかタップ出来ないのは、トラウマに苦しめられているから。
私が抱えているトラウマとは、《友達が信用できない》という事。
1年前、家族や彼氏や学校の事など何でも話せるくらい信用していた親友にこっ酷く裏切られた。
幼い頃から愛情を受け取れなかった分、信用というメンタル部分は学校の友達に置いていた。
人並み以上に恋愛を繰り返しても、男に信用を置く事はなかった。
その理由は、別れと共に信用の二文字からもオサラバしなければならないから。
一年生当時、同じクラスの親友 沙優 は、昔から使い捨て彼氏で一人の男に執着しないドライな恋愛をしていた。
私と同じような恋愛スタイルだったから、仲良くしてくれていると思っていた。
あの時は、まだ本物の恋を知らなかった分、考え方も未熟だった。
しかし、ある日。
今でも忘れはしない、我が耳を疑うようなショックな事件が起こってしまった。



