拓真家に到着すると、心配していたお婆さんが玄関先でウロウロしながら待ち構えていた。
心配かけていたんだなぁと思ったら、胸がキュッと苦しくなった。
幼少期から愛を知らずに生きてきたけど、最近は人の温かみを感じるように……。
昼食後、拓真は私を残したま畑に入って行った。
その間、お婆さんと雑談しながら身体を休ませる事に。
拓真は畑から上がって来るたびに、「もう帰る?」なんて何度も聞いてきたけど、「まだ帰りたくない」と小さな子供ようにワガママを言って首を振った。
長時間一緒に過ごせる日は週一回しかないから、せめて夕方までここに居たい。
お婆さんと談笑している間に夕方に……。
日没を迎えて畑から戻って来た拓真は、着替えてから駅まで送ってくれた。
「本当に家まで送らなくても大丈夫?」
「そこまで大した怪我じゃないし、ぜーんぜん大丈夫!」
「……ならいいけど」
心配の目はストーカー事件の時と同じ。
怪我に対しての恐怖心が伺えた瞬間でもあった。
送り届けてくれようとしてる気持ちは嬉しいけど、今日はダメ。
敦士が出演するライブに間に合わなくなっちゃう。
予定が無ければご厚意に甘えたかったのに。
はぁ、残念……。
私がこれから友達とライブに行こうとしてると知ったら、相当ヤバいだろうな。
『怪我をしてるのにライブ会場に行くなんて、あり得ない』とか言って、怒鳴ったりするのが目に見えている。



