LOVE HUNTER



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「おい、姉ちゃん。……いつ俺と遊んでくれるんだ」



和葉がいつも通りカラオケ店の受付で接客をしていると、次の順番の常連のしつこい客が、カウンターに片肘をついて身を乗り出してそう問い尋ねた。



男は170センチあるかないかのちょっと小柄な体型で小太り。
坊主に細く整えた眉。
薄いブラウンのレンズのサングラスをかけている、20代後半〜30代前半くらいの男性。

如何にもガラの悪い感じの二人を連れ添って来店する。
今日もいつも通り、酒の香りがプンプンと漂う。



男が来店する度に気分は奈落の底へ。
容姿も態度も言葉遣いも考え方も、生理的に受け付けない。

明らかに嫌がる素振りを見せているのに、空気すら読めずにナンパをしてくるから店員としても対応に困る。

しかも、今まで五回以上こういったやり取りをしている。



受付の嫌なところは、こんなクズ男にも他の客と同様、丁寧に対応しなければならない。



「すみません。勤務中ですので……」

「じゃあ、仕事が終わったら俺と遊んでくれんの?」


「申し訳ございません。先ほど申したのはそういった意味ではございません」



作り笑顔を浮かべて軽く頭を下げつつも、心の中では舌打ちをしている。
遠回しに嫌だと断ってるのに、気付かないのか、若しくは気付いてないフリをしているのか、男はしきりにアピールを続ける。


男は来店する度に、いつもいやらしい目つきで全身隈無く舐め回すように見つめてくる。
私に気があるのは間違いない。




しかも、私がいま遊びたい男はコイツじゃないし、どんなに大金を積まれてもコイツだけは勘弁。
さすがの私でも、誰でもいい訳じゃない。


男を選び放題の私が、こんな狭い世界に閉じ込められる必要がない。

若干不埒(ふらち)な理由はあるけど、メガネくん一本に的を絞ったばかりなのに、眼中ない客に何度もしつこく追い回されても困る。