昨日は農作業の日でラブアクシデントもあって拓真をより身近に感じたんだけど……。
翌日の月曜日となると、また遠目から眺めるという惨めなストーカー生活が始まる。
日曜日に舞い上がりのスタートをきってから、翌日には奈落の底に突き落とされるという心電図の線グラフのような一週間を送っている。
心音を刻む針が上へと飛び出るのは、一週間に一度の日曜日だけ。
この恋にご褒美はない。
拓真の気持ちが揺れ動かない限り、努力を重ねてもひとり相撲のまま。
今日もいつものように教室の扉から見つめると、拓真はいつも通り女子達に囲まれている。
面白くないからはち切れそうなほど唇を噛み締める。
メガネを外す前はそこが私の特等席だったのに……。
こんな状態が放課後まで繰り返される。
正直馬鹿馬鹿しいと思っているけど、惨めな思いをしてでも会いたい。
「……ねぇ、オバさん。今日もストーカーしてるの?」
突然後ろから誰かに声をかけられて肩を軽く叩かれた。
物思いに耽っていたから、思わずビクッと身体が揺れ動く。
振り返ってみると、そこには先日一悶着したばかりの憎き相手が。
「あんたは! 拓真に嘘をついて私にケンカ売った清楚系のヤンキー女っ!」
「なによっ! しかも私はヤンキーじゃないし。私は坂月 愛莉よ。あ・い・り!」
「……んで、そのヤンキー愛莉が私に何の用?」
「だ~か~ら! そのプロレスラーみたいなネーミングやめてくれない? ……それより話があるから少し話さない?」
正直、先日嫌な思いをしたから乗り気じゃなかった。
でも、断る理由もないのでコクンと頷いた。
「この前は悪者に仕立て上げてごめん。さすがにやり過ぎたなと思って反省したの」
愛莉は先日自傷行為を行った後、拓真の前で私を加害者扱いにした件を素直に謝ってきた。
謝るなんて意外だった。
先日は闘争心を剥き出しにしていたから。
「あっ……あぁ。うん」
残念ながら、拍子抜けしてしまったせいか気の利いた言葉が見つからない。



