しかし、相手は所詮ガキ。
悪態をつくなんてムカつくけど、ここは私がお姉様らしく堪えて金の為に一歩引かなければならない。
「やっ、やだな。なに言ってるんだ……か」
「興味ない」
「えっ……」
「俺、あんたみたいな平凡でツマンナイ女に興味ないから」
そう言われた瞬間、モテ女としてのプライドが木っ端微塵に。
拓真は言いたい事を言い終えるとスクッと立ち上がってその場から立ち去った。
取り残された和葉は、ツンデレという希を見る最大級の壁が目の前に立ちはだかる事に。
予定通りにいけば運命的な初対面だった。
『怪我をしてない?』とか。
『こんなに重たいものを女の子に持たせるなんて』とか。
『大事な書類だったんだろ?』とか。
きっと彼も他の男と同様、私を取り巻く男達のように優しく気遣うものだと思っていた。
でも、実際は違う。
完全に無関心だし、背中を向けてから一度たりとも振り返りはしない。
しかも、考えてみたらハートを射止めるどころか名前すら伝えていない。
昨日祐宇が言っていた『彼にはひと癖ある』という意味がようやくわかった気が。
悔しい……。
マトモな男なら、美人にもっと優しくするでしょ。
最低な意地悪を言わないでしょ。
拓真……。
予想以上に手強い相手。
ツンは今この瞬間に見れたけど、この先いつかはデレを引き出してやる。
私はLOVE HUNTER
容姿端麗で非の打ち所のない私は、恋愛において不可能の三文字は存在しなかった。
しかし、生意気なあいつは私の気持ちを逆撫でしてくる。



