LOVE HUNTER



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「そこのオバさん! アンタに話があるんだけど」



和葉は昼休みに教室から出ると、背後からヤンキー口調の女性の声を浴びた。


ここは校内。
PTA会室は別棟にあり、和葉の教室がある棟には普段保護者が足を踏み入れる事は滅多にない。

だから、廊下を通るオバさんと言ったら、本校の女性教師くらいだから、自分には関係ないと思い先を進んだ。


ところが……。



「アンタだよ。シカトすんなよ! オバさん」



声の主は突然和葉の肩をポンと叩いて足を引き止めた。



……え?
オバさんって。
まさかまさか、この私?!



和葉は不満げに振り向くと、そこには先ほど拓真のクラスでライバル視してきた清楚系の女が睨みつけている。



「和葉はオバさんじゃないよ。人違いなんじゃないの?」

「私が呼び止めたのはアンタ。一年生からすると、二年生はオバさんなんだよ!」



彼女は清楚系の見た目からは想像つかないほど口が悪い。
先ほどぶりっ子口調で拓真に迫っていたとは思えないほど。



「ちょっとちょっと! あなたと1学年しか変わんないんだけど」

「あんたさぁ、オバさんのクセに毎時間扉越し拓真を見つめて鬱陶(うっとう)しいんだよ。オバさんには現実を知ってもらおうと思って、忠告しに来てやったの」

「……忠告って?」


「言わなくてもわかるだろ? オバさんはオジさんを相手してりゃいいの。拓真に振り向いてもらえないくせに、すがりついてんじゃねーよ」



彼女は可愛らしい見た目とはギャップを感じさせるほど悪態をつく。
気分が害された和葉は、腕を組んで鼻息を荒くさせた。



「そーゆーアンタは拓真の何なの? どうせ、ただのクラスメイトでしょ?」

「アンタこそただのストーカーだろ? 一度こっ酷くフラれてんだから、いい加減目を覚ませよ。みんなはアンタがフラれた姿をこの目で見てんだよ」



二人はお互いの目から火花を散らし、胸の中で激情の炎を燃やしていた。



ーーしかし、ちょうどその時。

和葉の教室付近に一度もお目見えした事のない拓真が、2年生の教室の並びにある職員室へと向かっていた。