「牧野美波です。よろしくお願いします」

森脇(もりわき)菜々緒です。美波ちゃんでいい?」

「は、はい」

「私も名前で呼んでくれていいよ。美波ちゃんの教育係になったから、よろしくね」

「よろしくお願いします!」


緊張で声が上ずると、菜々緒さんがクスッと笑った。


「そんなに硬くならなくていいよ。ここのスタッフはみんな仲がいいし、たまにご飯会とかもするから、美波ちゃんもすぐに溶け込めると思うよ」

「そうそう! スイーツ好きのメンバーでカフェに行ったりね」

「この間はパフェ食べに行ったよねー」

「はい! あれ、おいしかったなぁ」


菜々緒さんと真菜は仲がいいらしく、他にも数人を含めたメンバーでスイーツ会を定期的に開催しているのだとか。


「よかったら、美波ちゃんも入ってね」


笑顔で誘ってくれた菜々緒さんは、年上だけれどそれを感じさせない気さくな雰囲気で接してくれた。


「はい、ぜひ」

「真菜ちゃんみたいにバイト代を注ぎ込みすぎるのはおすすめしないけどね」

「もうー、菜々緒さんってば! それは言わないでくださいよ」


和気藹々とした雰囲気に、緊張感が解れていく。