「何度も言おうとはしたよ。でも、なんていうか……美波は俺のことを同士だって思ってる節があるんだよ。選手生命を絶たれたことで絶望して、将来どうすればいいのかわからないまま立ち直れてないんだって……」

(なに……? なんの話?)


明るい話題じゃないのは明らかで、不安が芽生えてくる。


この先を聞くのが怖いのに、足が地面に張り付いたように動かない。
心臓がドクンッと音を立て、緊張感まで込み上げてきた。


「で?」

「俺と違って、美波はたぶんまだ立ち直れてない。明るく笑うようになったけど、水泳部員を見ると歯がゆそうな顔をしたり悲しそうにするんだ」

「だから、自分はもう新しい目標を見つけてるってことをまだ言わない……って?」

(え……?)


目を大きく見開いてしまう。


私が聞き間違えたのか、宮里先輩が勘違いしているのか。
すぐに現実を受け止められない私は、そんな風に考えてしまった。


「そうじゃないけど……」

「黙ってる方が傷つけるんじゃないか?」

「わかってる……。さすがに冬休み中には話すよ」

「年が明けたらすぐに共通テストだしな。まぁ頑張れ」