「奴は、一人なのか?」
「はい、閣下。周囲に気配はありませんが、追われているのだとすれば追跡者が現れるかもしれません」
「奴に会おう。とりあえず、ここから去った方がいい。イーサン、奴を連れてうしろの馬車へ乗ってくれ。叔父上の事務所へ行こう。追跡者は、もしかするとジェロームがおれに会うのを予測しているかもしれぬからな」
「了解。ジリアン」
「イーサン、わかっているわ。旦那様と奥様は、わたしが守ります」

 というわけで、急遽「何でも屋」の事務所に行くことになった。

 なにこれ? ワクワクどきどきの展開になってきたじゃない。