「だから、そんな作戦はダメだ。ミユ、いいな?」
「はい、ブレントン様。あなたの仰せのままに従います」

 彼がやさしく肩を抱いてくれたので、全身で甘えることにした。

「バカバカしい」

 ボスのつぶやきがきこえたような気がしたけれど、ただの気のせいよね。

「ぼくがいきますよ。ぽんこつ子息は、軍の幼年学校の同期だったのです。当時、ぼくに懸想していましたからすぐに落ちるはずです。幼年学校のときは、すぐに退学させられましたからね。言いよられる暇がありませんでした」

 可愛らしいイーサンが申し出てくれたので、彼に任せることにした。